
「一生懸命に自社の強みを書いているのに、なぜか問い合わせが来ない……」
そう悩む経営者の方は少なくありません。実はその原因、Webサイトが「信頼できない語り手」になってしまっているからかもしれません。
「信頼できない語り手」とは、ミステリー小説などで使われる手法で、語り手の主観や嘘によって読者を混乱させるキャラクターのこと。ビジネスのWebサイトにおいて、意図せずこの状態に陥ると、ユーザーは「この会社、言っていることは立派だけど何か怪しい」と直感的に離脱してしまいます。
今回は、元営業マン・現役Webデザイナーの視点から、成約率を下げてしまうWebデザインの正体と、信頼を勝ち取るための改善ポイントを解説します。
なぜあなたのサイトは「信頼できない」と思われるのか?
営業マン時代、私は「口がうますぎる営業ほど売れない」という場面を何度も見てきました。Webサイトも同じです。
Webにおける「信頼できない」状態とは、「発信している言葉」と「デザイン(見た目)から受ける印象」にズレが生じている状態を指します。
- 「地域密着でアットホーム」と書いているのに、写真は冷たいフリー素材ばかり。
- 「業界最安値」と謳っているのに、料金体系がどこにあるか分からない。
こうした小さな「違和感」が積み重なると、ユーザーの脳内では「この語り手(サイト)は信用してはいけない」というアラートが鳴り響きます。

WEBデザインで信頼を損なう3つのNG例
具体的に、どのようなデザインがユーザーに「信頼できない」と思わせてしまうのでしょうか。代表的な3つのNG例を挙げます。
① フリー素材の多用による「実体のなさ」
どこかのサイトで見たことがある「笑顔の外国人モデル」や「握手するビジネスマン」ばかり並んでいませんか?
デザイナー視点で見ると、フリー素材は便利ですが、使いすぎると「実体のない架空の会社」のように見えてしまいます。ユーザーが見たいのは、実際に働くあなたの姿や、提供されている本物のサービス風景です。
② メリットばかりで「リスク」を隠す構成
「100%満足!」「失敗なし!」といった美辞麗句だけで埋め尽くされたサイトは、かえって不気味です。
営業の現場でも、デメリットを正直に話す人ほど信頼されますよね。Webデザインにおいても、「こういう方には向きません」という制約や、よくある失敗例をあえて提示することで、情報の透明性が高まり、信頼へと繋がります。
③ スマホで見づらい、動線が強引
PCでは綺麗に見えても、スマホで開いた瞬間にボタンが押しづらかったり、ポップアップ広告が何度も出てきたりするサイト。これは、デザイナーの視点から言えば「ユーザーへの敬意不足」です。
相手の使い勝手を無視した設計は、営業マンが相手の都合を無視して喋り続けるのと同じ。その瞬間に、信頼関係は崩壊します。
成約率を劇的に変える「信頼の積み上げ」デザイン術
「信頼できない語り手」を卒業し、顧客に選ばれるサイトにするためには、以下の3点を意識したデザインにアップデートしましょう。
- 「証拠」をデザインする
「お客様の声」はアンケート用紙の生写真や、実名・顔写真付きで掲載しましょう。手書きの文字やリアルな写真は、どんなに整ったバナーよりも説得力があります。 - 「両面提示」の法則を活用する
良い点だけでなく、あえて「注意点」をデザインの要素として組み込みます。これにより「この会社は誠実だ」というポジティブな評価に転換されます。 - 「顔」が見える安心感
代表者挨拶やスタッフ紹介を、デザインの主役に据えてください。プロが撮影した高品質なポートレート写真は、それだけで「逃げも隠れもしない姿勢」を演出できます。

「信頼性」をセルフチェックする10のリスト
「信頼できない語り手」になっていないか、元営業マンとデザイナーの視点で厳選したチェックリストを用意しました。経営者の皆様、ぜひ自社サイトを開きながら確認してみてください。
| チェック項目 | 視点 | 内容のポイント |
|---|---|---|
| 1. フリー素材に頼りすぎていないか | デザイナー | 笑顔すぎる外国人モデルばかりではなく、実際の社員やオフィスの写真があるか。 |
| 2. 運営者の「顔」が見えているか | 元営業 | 代表者や担当者の顔写真と、熱意あるプロフィールが掲載されているか。 |
| 3. デメリットや注意書きがあるか | 元営業 | 「できないこと」や「向かない人」を明記し、誠実な情報開示ができているか。 |
| 4. 会社概要の所在地は実在するか | 共通 | 住所が画像ではなくテキストで正しく記載され、Googleマップ等で確認できるか。 |
| 5. 「お客様の声」はリアルか | 元営業 | 良い評価だけでなく、具体的な背景や、手書きアンケート等の「証拠」があるか。 |
| 6. 最新の更新情報が止まっていないか | 共通 | ブログやニュースが数年前で止まっておらず、「動いている安心感」があるか。 |
| 7. リンク切れや表示崩れはないか | デザイナー | スマホで見た時にボタンが重なっていたり、リンクが切れたりしていないか。 |
| 8. 専門用語を並べ立てていないか | 元営業 | 相手を煙に巻くような難しい言葉ではなく、中学生でもわかる言葉で伝えているか。 |
| 9. お問い合わせへの導線はスムーズか | デザイナー | 迷わずに連絡できる設計か。強引なポップアップで邪魔をしていないか。 |
| 10. SSL化(保護された通信)は済んでいるか | 共通 | ブラウザのURL欄に「保護されていない通信」という警告が出ていないか。 |

[まとめ]
Webサイトは、24時間働き続けるあなたの会社の「営業マン」です。
その営業マンが、表面的な言葉だけで中身が伴わない「信頼できない語り手」になっていないか、今一度チェックしてみてください。
大切なのは、綺麗に飾ることではなく、あなたの誠実さを正しく可視化することです。

「自社のサイト、どこを直せば信頼されるようになるだろう?」と少しでも不安に感じたら、まずは現状の分析から始めてみませんか?
「今のWebサイトに違和感がある」「プロの視点で信頼性を診断してほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの会社の誠実さが伝わる、最高のデザインを一緒に作り上げましょう。
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